カスタマーサクセスツールを安全に利用するには、顧客情報や対応履歴を扱う前提で、ログイン管理や認証連携の仕組みを確認することが重要です。ここでは、カスタマーサクセスツールでセキュリティ対策が必要な理由と、シングルサインオンの確認ポイント、自社で優先すべきケースを解説します。
カスタマーサクセスツールでセキュリティ対策が重要な理由
カスタマーサクセスツールでは、顧客情報や契約状況、利用履歴など事業上重要なデータを扱うため、セキュリティ対策が重要です。
カスタマーサクセス部門では、顧客企業の担当者情報、契約プラン、問い合わせ履歴、利用状況、ヘルススコア、解約リスクに関する情報などを管理することがあります。これらの情報が不適切に閲覧・共有されると、情報漏えいや社内での誤閲覧につながるおそれがあります。
また、カスタマーサクセスツールは、営業、サポート、マーケティング、管理部門など複数部門で利用されるケースがあります。利用者が増えるほど、アカウントの発行・変更・停止の管理が煩雑になり、退職者や異動者のアカウント管理漏れも起こり得ます。
そのため、カスタマーサクセスツールのセキュリティ対策では、データ保護や権限管理に加えて、誰がどの環境からログインできるのかを管理することも重要です。シングルサインオンは、こうしたログイン管理を社内の認証ルールに合わせやすくする方法の1つです。
シングルサインオンは、カスタマーサクセスツールのログイン管理を社内の認証ルールに合わせやすいかを確認するための項目です。ページ上部の比較表では、セキュリティ項目としてシングルサインオンへの対応状況を確認できます。
項目 | 確認できること | 見るべき理由 |
|---|
シングルサインオン | 社内のID管理基盤と連携してログインできるか | 複数のSaaSを利用している場合でも、ログイン管理を統制しやすくなるため |
シングルサインオンに対応している場合、カスタマーサクセスツールごとに個別のID・パスワードを管理する負担を減らせる可能性があります。複数のSaaSを利用している企業では、ログイン方法を社内ルールに合わせやすくなる点も判断材料になります。
ただし、シングルサインオンはログイン管理に関する項目であり、カスタマーサクセスツールのセキュリティ全体を確認できるものではありません。比較表ではシングルサインオンを中心に確認し、候補を絞る際は権限管理や操作ログなど、ほかの観点もあわせて確認するとよいでしょう。
シングルサインオンは、社内で利用しているID管理基盤と連携し、1つの認証情報で複数のサービスにログインできる仕組みです。カスタマーサクセスツールでは、サービスごとのID・パスワード管理を減らせるかを確認する項目になります。
シングルサインオンの対応状況を見る際は、対応有無だけでなく、自社の認証環境や運用条件に合うかまで確認することが重要です。
連携できる認証基盤、対象ユーザー、利用できるプラン、設定単位などはサービスによって異なります。自社で実際に使えるかを判断するには、対応有無だけでなく、導入後の運用に組み込めるかを見る必要があります。
シングルサインオンに対応していても、自社で利用しているID管理サービスと連携できるとは限りません。Microsoft Entra ID、Google Workspace、Oktaなど、どの認証基盤に対応しているかを確認する必要があります。
シングルサインオンを管理者だけに適用できるのか、一般ユーザーを含む全利用者に適用できるのかで、ログイン管理の実効性は変わります。カスタマーサクセス担当者、営業担当者、サポート担当者など、実際に利用する範囲に適用できるかを確認しましょう。
シングルサインオンは、標準機能ではなく上位プランやオプション機能として提供される場合があります。対応状況を見る際は、利用できるプラン、追加費用、設定単位もあわせて確認することが大切です。
シングルサインオンを優先すべきかは、カスタマーサクセスツールを誰が、どの環境から、どのような情報にアクセスするかで変わります 。
自社の状況 | シングルサインオンを優先したい理由 |
|---|
営業、サポート、カスタマーサクセス部門など複数部門で利用する | 利用者が増えてもログイン管理を統制しやすくなるため |
顧客情報や契約情報を日常的に扱う | 不要なアカウントの残存による情報漏えいリスクを抑えやすいため |
在宅勤務や外出先から利用する | 社外環境からのログインにも社内の認証ルールを適用しやすいため |
複数のSaaSを併用している | サービスごとのID・パスワード管理を減らし、運用を標準化しやすいため |
入退社や異動が多い | アカウント発行・停止・変更の管理漏れを防ぎやすいため |
カスタマーサクセスツールでは、顧客情報、契約状況、利用履歴などを安全に扱えることに加え、利用部門やアクセス環境に応じた管理が必要です。まずは比較表で確認できるシングルサインオンの対応状況を見ながら、ログイン管理に合う候補を整理しましょう。
カスタマーサクセスツールでは、顧客情報や契約情報、利用状況などを安全に扱うため、シングルサインオンによるログイン管理だけでなく、権限管理、操作ログ、データ保護なども重要な確認観点になります。候補を絞った後は、ほかのセキュリティ項目についても確認するのがおすすめです。
確認観点 | 確認したい理由 |
|---|
権限管理 | カスタマーサクセス担当者、営業担当者、サポート担当者、管理者など、役割ごとに閲覧・編集範囲を分けるため |
二要素認証・多要素認証 | パスワード漏えいや社外アクセス時の不正ログインリスクを抑えるため |
操作ログ・監査ログ | 顧客情報の閲覧・変更履歴を確認し、トラブル発生時の調査に備えるため |
IPアドレス制限 | 社内ネットワークや許可された環境からの利用に限定するため |
通信・保存データの暗号化 | 顧客情報、契約情報、利用履歴などを安全に送受信・保管するため |
バックアップ | 障害や誤 操作が発生した場合に、必要なデータを復旧しやすくするため |
カスタマーサクセスツールのセキュリティ全体を判断するには、上記の観点もあわせて確認することが大切です。比較表で候補を整理した後は、各サービスの公開情報も確認しながら、自社のセキュリティ要件に合うかを見極めましょう。