IVRには、月額定額制、電話1件・応答1件ごとの従量制、電話番号単位の料金体系があります。基本料金に一定の着信数を含み、上限を超えた分だけ追加料金が発生するプランもあります。
主要な課金モデル(基本料金・従量料金・初期費用の違い)
IVRの料金は、自動応答機能の月額料金、着信・応答件数に応じた従量料金、音声フローを構築するための初期費用などで構成されます。
課金項目 | 発生タイミング | 主な内容 |
|---|
月額基本料金 | 毎月 | 自動音声案内や管理画面の利用料 |
着信・応答料金 | 利用量に応じて発生 | 電話1件、応答1件、通話時間などに応じて変動 |
電話番号・回線料金 | 契約時・毎月 | 着信番号や同時接続回線の利用に対して発生 |
初期設定費用 | 導入時 | 音声ガイダンスや分岐シナリオの設定に発生 |
転送・通話料金 | 通話時 | 担当者や外部番号へ電話を転送する際に発生する場合がある |
オプション料金 | 機能追加時 | SMS送信、録音、音声認識、データ保存などに発生 |
月間30件までの着信を基本料金内とするプラン、月間1,000件までの応答を含むプラン、月間のコール数に上限を設けるプランなどがあり、課金対象は一律ではありません。
無料プランを用意するサービスもありますが、利用できる着信数や電話対応機能には制限があります。たとえば、月間30件までAI・IVRによる自動応答を利用できる無料プランが確認できます。
有料プランでは、着信件数の上限拡大、複数の音声分岐、担当者への転送、SMS送信などに対応できる範囲が広がります。ただし、有料化によってすべての機能が利用できるとは限らないため、必要な分岐数や転送先数を確認してください。
最低契約期間を1カ月とするサービスがある一方、6カ月または12カ月の契約を必要とするプランもあります。契約期間を公開せず、個別確認としているサービスも少なくありません。
契約前には、最低利用期間のほか、月間の最低料金、着信件数の無料枠、超過分の数え方を確認しましょう。年単位の契約では、途中で着信数が減ってもプランを変更できない可能性があります。
IVRの料金を比較するときは、利用人数よりも、電話を何件受けるか、音声を何段階に分岐させるか、どこへ転送するかが重要です。受付業務の流れを整理してから見積もりを依頼しましょう。
着信件数を基準とするプランでは、基本料金に含まれる件数を超えると、電話1件ごとの追加料金が発生します。超過料金が固定電話と携帯電話で異なる自動発信型のサービスもあります。
通常月の平均件数だけでなく、キャンペーンや繁忙期の最大着信数も確認してください。無料枠を少し超える状態が続く場合は、従量料金を支払う場合と上位プランへ変更する場合を比較しましょう。
IVRでは、「商品に関する問い合わせは1」「契約内容の変更は2」のように音声案内を分岐させます。基本料金に含まれる分岐数やアクション数を超えると、追加料金が発生する場合があります。
基本セットに一定数のアクションを含み、追加分をまとまった単位で契約する料金体系もあります。部署、用件、営業時間などで分岐させる場合は、必要な階層とアクション数を事前に数えておきましょう。
問い合わせ窓口ごとに電話番号を分ける場合は、番号単位の月額料金が必要になることがあります。複数の電話を同時に受けるには、着信番号だけでなく回線・チャネル数も確認が必要です。
1番号・複数チャネルを含むプランや、番号と回線の追加を別料金とするプランがあります。問い合わせが集中する時間帯の最大同時着信数をもとに構成を決めましょう。
電話を担当部署や携帯電話へ転送する場合、転送区間の通話料が発生することがあります。転送元と転送先で異なる通信事業者を利用すると、別途通話料が必要になるプランもあります。
SMS送信、文字起こし、要約、AIによる電話受付などを利用する場合は、基本料金に含まれる件数を確認してください。一定件数を超えると、電話1件またはSMS1通ごとの従量料金が発生する場合があります。
IVRでは、月額利用料以外に、音声フローの作成、音声データの変更、回線追加、保存期間の延長などに費用がかかる場合があります。導入後の変更作業も含めて確認しましょう。
導入時には、案内文、番号選択後の処理、営業時間外の対応、転送先などを設定します。設定代行を依頼する場合は、システムの初期費用とは別に見積もりが必要になることがあります。
自社で設定できる範囲と、ベンダーへの依頼が必要な範囲を確認してください。案内文や分岐の変更が頻繁に発生する場合は、変更のたびに費用がかかるかも重要です。
一定数の着信や電話対応を基本料金に含むプランでは、上限を超えた分に従量料金が加算されます。月100件まで無料で、101件目以降に1件単位の料金が発生するものや、1,000コール単位で追加料金が発生するものがあります。
月間件数の集計対象が、着信した電話すべてなのか、自動応答が完了した電話だけなのかを確認しましょう。転送後の通話も別途課金される可能性があります。
着信窓口を増やしたり、複数の問い合わせを同時に受けたりする場合は、回線の追加が必要になることがあります。音声フローのアクション追加と回線追加を、それぞれ月額オプションとして提供するサービスもあります。
複数部署へ展開する場合は、1つの契約に追加できるのか、部署ごとに新たな契約が必要なのかを確認してください。
IVRで受け付けた内容や音声データには、標準の保存期間が設定されている場合があります。保存期間を延長すると、月額の追加料金が発生することがあります。
クレーム対応や受付内容の確認に録音を利用する場合は、必要な保存期間を決めましょう。録音データだけでなく、着信履歴や入力された番号の保存期間も確認してください。
IVRの費用対効果は、電話を受ける件数のうち、自動案内だけで完了する件数と、適切な部署へ直接振り分けられる件数をもとに考えます。すべての電話を無人化できる前提では試算しないようにしましょう。
IVRで問い合わせ内容を事前に分類できれば、代表電話の担当者が用件を聞き、担当部署へ取り次ぐ作業を減らせます。
月間の取次削減額= 1件あたりの取次時間 ÷ 60 × 自動振り分けできた件数 × 人時単価
自動振り分け後に転送先を間違えて再転送した件数や、音声案内を聞かずに切断された電話は、削減件数に含めないようにしましょう。
営業時間や住所、資料請求の案内など、人が応対しなくても完了する問い合わせがある場合は、1件あたりの有人対応費とIVRの従量料金を比較できます。
費用回収に必要な自動完了件数= 月額固定費 ÷(1件あたりの有人対応費-1件あたりのIVR従量料金)
自動応答だけで解決した件数と、最終的に担当者へ転送された件数を分けて集計すると、導入効果を判断しやすくなります。
分岐を増やす判断は、追加料金だけでなく、誤転送や再取次をどれだけ減らせるかで行います。メニューを細かくしすぎると、利用者が目的の番号を選びにくくなる可能性もあるため、分岐数が多いほどよいとは限りません。
回線追加については、話中や待ち時間が発生した件数を確認します。着信の取りこぼしが増えている場合は、追加回線の料金と、失われる問い合わせ機会を比較しましょう。