健康管理システムのセキュリティ対策で確認すべきポイント
健康管理システムでは、従業員の健康に関する情報を扱うため、情報漏えいや不正アクセスを防ぐセキュリティ対策の確認が欠かせません。健康診断結果、ストレスチェック結果、産業医面談に関する記録などは、閲覧できる人を限定し、社外からのアクセスや通信経路も含めて安全に管理する必要があります。
管理部門、人事労務担当者、産業保健スタッフ、従業員本人など複数の利用者が関わる点も、健康管理システムの特徴です。権限設定やログイン管理が不十分な場合、本来閲覧すべきでない健康情報へのアクセスや、外部からの攻撃による業務停止につながるおそれがあります。
健康管理システムのセキュリティ項目は、認証体制、ログイン管理、アクセス制御、通信保護、外部攻撃対策に分けて見ると整理しやすくなります。対応項目の数だけで判断せず、自社の健康情報管理に必要な対策が含まれているかを確認することが大切です。
分類 | 主な項目 | 確認できること |
|---|
管理体制・認証 | ISMS | 情報セキュリティ管理の仕組みが第三者基準に基づいて整備されているか |
ログイン管理 | 二要素認証・二段階認証、シングルサインオン | なりすましログインやID管理の負担を抑えられるか |
アクセス制御 | IP制限 | 社外や許可されていないネットワークからの利用を制限できるか |
通信保護 | 通信の暗号化 | 健康情報を送受信する際の盗み見や改ざんリスクを抑えられるか |
外部攻撃対策 | WAF | Webアプリケーションを狙った攻撃への備えがあるか |
対応している項目であっても、すべての利用者や全プランに適用されるとは限りません。管理者、産業保健スタッフ、一般従業員など、どの範囲に設定できるかはサービスごとに個別確認が必要です。
情報セキュリティ管理の体制を重視する場合は、ISMSの取得状況が判断材料になります。健康情報を継続的に扱うシステムでは、個別機能だけでなく、運用管理の仕組みも見ておきたいポイントです。
ISMSは、情報セキュリティを管理するための仕組みが整備されていることを示す認証です。健康管理システムを選ぶ際は、取得範囲が対象サービスや運営会社のどこまで含まれるかも確認対象になります。
ログイン管理では、不正ログインを防ぎつつ、社内のID管理と無理なく合わせられるかを確認する必要があります。従業員本人が利用する場面が多い場合、使いやすさと安全性の両立も見ておくと安心です。
二要素認証・二段階認証は、IDとパスワードだけに依存せず、追加の認証で本人確認を行う仕組みです。健康情報にアクセスする管理者や担当者に適用できるかを確認すると、なりすまし対策を強化できます。
シングルサインオンは、社内で利用しているID基盤と連携し、複数システムへのログインを一元化する仕組みです。退職者や異動者のID管理を社内ルールに合わせたい場合に有効です。
アクセス制御では、誰が、どこから健康管理システムへ接続できるかを制限できるかが重要です。社外アクセスを認める運用では、IP制限の対象範囲や例外設定を確認しておく必要があります。
IP制限は、許可したネットワークからのみシステムへアクセスできるようにする機能です。本社、拠点、在宅勤務など利用環境が分かれる場合は、自社の運用に合わせて設定できるかが判断材料になります。
通信保護では、健康情報を送受信する際に第三者が内容を読み取れないよう対策されているかを確認します。従業員がスマートフォンや自宅環境から利用する場合も、通信の安全性は見落とせない項目です。
通信の暗号化は、利用者とシステム間で送受信されるデータを保護するための対策です。健康診断結果やストレスチェックに関する情報を扱う場合、基本的に確 認しておきたい項目です。
外部攻撃対策では、Web経由で利用するシステムに対して、攻撃を検知・遮断する仕組みがあるかを見ます。健康情報をクラウドで管理する場合、ログイン管理だけでなくアプリケーション層の防御も重要です。
WAFは、Webアプリケーションへの攻撃を防ぐための仕組みです。SQLインジェクションや不正なリクエストなど、外部からの攻撃リスクに備えたい場合の確認対象になります。
健康管理システムのセキュリティ要件は、対応項目の多さではなく、自社が扱う健康情報の範囲と利用者の広がりに合わせて決めることが大切です。管理部門だけが使うのか、従業員本人や産業医も利用するのかによって、優先すべき項目は変わります。
自社の状況や利用シーン | 優先して見たいセキュリティ項目 | 確認すべき観点 |
|---|
健康診断結果やストレスチェック結果を管理する | 通信の暗号化、ISMS | 健康情報の送受信や閲覧時に保護できるか |
管理部門や産業保健スタッフなど複数の担当者が使う | 二要素認証・二段階認証、シングルサイン オン | 担当者ごとのログインやアクセスを適切に管理できるか |
従業員本人がWeb上で結果や問診情報を確認する | 二要素認証・二段階認証、通信の暗号化 | なりすましログインや健康情報の送受信時のリスクを抑えられるか |
拠点、在宅勤務、外部委託先など利用環境が分かれる | IP制限 | 接続元を制限し、自社の運用範囲に合わせられるか |
社内の情報セキュリティ基準に沿って選定する | ISMS、通信の暗号化 | 会社として求める認証や管理体制を満たしているか |
Web経由で健康情報を扱う | WAF | 外部からの攻撃に対する備えがあるか |
特に、二要素認証・二段階認証やIP制限は、管理者だけでなく一般従業員や産業保健スタッフにも適用できるかが重要です。利用できるプラン、設定単位、対象ユーザーの範囲、社外アクセス時の扱いはサービスによって異なるため、対応状況を見ながら、自社の健康情報管理に必要な条件を満たせる候補を整理しましょう。