RPAツールのセキュリティ対策で確認すべきポイント
RPAツールでセキュリティ対策が重要な理由は、社内システムへのログイン情報や業務データを扱うため、不 正アクセスや情報漏えいのリスクを抑える必要があるためです。
RPAツールは、社内システムへのログイン、データ入力、ファイル操作、メール送信、帳票処理などを自動化するために使われます。業務によっては、顧客情報、従業員情報、取引先情報、請求データなどを扱うケースもあります。
そのため、RPAツールを比較する際は、自動化できる業務範囲だけでなく、情報を安全に扱える仕組みがあるかを確認することが重要です。特に、クラウド型のRPAツールを利用する場合や、複数部門で利用する場合は、通信の保護、認証管理、アクセス制御、ベンダーの管理体制をあわせて確認しましょう。
RPAツールのセキュリティ項目は、主に、ベンダーの管理体制、データ保護、アクセス制御・ID管理に分けて確認できます。まずは各項目が何を示しているのかを把握しておくと、比較表の内容を読み取りやすくなります。
分類 | 主な項目 | 確認できること |
|---|
第三者認証・管理体制 | ISMS、Pマーク | ベンダーの情報セキュリティ管理体制や個人情報保護体制 |
データ保護・可用性 | 通信の暗号化、冗長化 | 通信中の情報保護や、障害発生時の継続性 |
アクセス制御・ID管理 | IP制限、二要素認証・二段階認証、シングルサインオン | 不正アクセス対策や、利用者・ログイン管理のしやすさ |
第三者認証・管理体制に関する項目では、RPAツールを提供するベンダーが、情報セキュリティや個人情報保護の管理体制を整えているかを確認できます。
RPAツールは、社内の複数システムや業務データに関わるため、ツールの機能だけでなく、提供会社の管理体制も比較時の判断材料になります。
ISMSは、ベンダーが情報セキュリティを管理する体制を整えているかを確認するための項目です。
RPAで顧客情報、取引情報、社内申請データなどを扱う場合は、ツールの機能面だけでなく、提供会社の情報管理体制も確認しておくとよいでしょう。
Pマークは、ベンダーが個人情報保護に関する管理体制を整えているかを確認するための項目です。
RPAで従業員情報、顧客情報、申込情報、問い合わせ情報などを扱う場合に確認したい項目です。ただし、Pマークの有無だけで、RPAツール内のすべての個人情報処理が安全に行えると判断できるわけではありません。実際にどのデータを扱うか、どの環境で処理するかはサービスごとに確認が必要です。
データ保護・可用性に関する項目では、RPAツールで扱うデータを安全に送受信できるか、障害時にも業務への影響を抑えられるかを確認できます。
RPAは定型業務を自動化するツールのため、停止すると請求処理、受発注処理、レポート作成などの業務に影響が出る場合があります。重要業務に利用する場合は、通信保護と可用性の両方を確認しましょう。
通信の暗号化は、RPAツールとクラウド環境、外部サービス、管理画面などの間で送受信される情報を保護するための項目です。
クラウド型RPAを利用する場合や、オンラインストレージ、文書管理システム、メールなどと連携する場合は、通信経路の安全性を確認することが重要です。
冗長化は、システム障害やサーバートラブルが発生した場合に、サービスを継続しやすくするための項目です。
RPAで日次処理、月次処理、請求関連業務、レポート出力などを自動化する場合、停止時の影響範囲が大きくなることがあります。業務停止のリスクを抑えたい場合は、冗長化の有無を確認しましょう。
アクセス制御・ID管理に関する項目では、RPAツールに誰がアクセスできるか、どのようにログインを管理できるかを確認できます。
RPAは、社内システムへのログイン情報や業務データを扱う場合があるため、管理者や利用者のアカウント管理が重要です。複数部門で利用する場合や、情報システム部門が統制したい場合は、アクセス制御の項目を優先して確認しましょう。
IP制限は、特定のネットワークや拠点からのみRPAツールへのアクセスを許可できるかを確認する項目です。
社外からのアクセスを制限したい場合や、社内ネットワーク経由での利用に限定したい場合に有効です。テレワーク環境で利用する場合は、運用方法に合うか確認が必要です。
二要素認証・二段階認証は、IDとパスワードに加えて、スマートフォンなどを使った追加認証を行えるかを確認する項目です。
管理画面や実行環境への不正ログインを防ぎたい場合に確認したい項目です。特に、管理者権限を持つユーザーが多い場合や、RPAで重要データを扱う場合は重視しましょう。
シングルサインオンは、社内のID管理基盤と連携し、ログイン管理を統合できるかを確認する項目です。
利用者が多い企業や、入退社・異動に伴うアカウント管理を厳格に行いたい企業に向いています。既存のID管理システムと連携できるかは、サービスごとに確認が必要です。
自社に必要なセキュリティ要件は、対応数の多さだけで比較するのではなく、RPAで扱うデータの重要度や利用部門の範囲に応じて優先順位をつけることが大切です。例えば、顧客情報や請求データを扱う場合は、PマークやISMS、通信の暗号化が判断材料になります。
また、複数部門で利用する場合は、二要素認証・二段階認証、IP制限、シングルサインオンなど、アクセス制御やID管理に関わる項目を確認しておくとよいでしょう。
以下の表を参考に、自社の状況に近いものから優先して確認すると、必要なセキュリティ要件を整理しやすくなります。
自社の状況 | 重視したい項目 | 理由 |
|---|
個人情報や顧客情報をRPAで扱う | Pマーク、通信の暗号化、二要素認証・二段階認証 | 情報漏えいや不正アクセスのリスクを抑えるため |
社内外の複数システムをまたいで自動化する | 通信の暗号化、IP制限、シングルサインオン | 接続先が増えるほど、通信経路やログイン管理の確認が重要になるため |
複数部門でRPAを利用する | シングルサインオン、二要素認証・二段階認証、IP制限 | 利用者管理や権限管理を統制しやすくするため |
業務停止の影響が大きい処理を自動化す る | 冗長化、導入実績社数 | 障害時の影響を抑え、安定運用できるかを確認するため |
まず候補を広く絞り込みたい | セキュリティ対策対応率、料金、導入実績社数 | 対応範囲、費用感、導入実績を一覧で比較しやすいため |
一覧表で各ツールの対応状況を比較し、候補となるツールは自社の利用環境やセキュリティポリシーに合うかを個別に確認しましょう。