RPAツールを効果的に活用するには、自動化したい業務で使う既存の業務システムやファイル管理ツールと連携できるかを確認することが重要です。ここでは、RPAツールで外部連携が重要な理由と、主な連携先、自動化しやすい業務、自社に必要な連携機能の考え方を解説します。
RPAツールで外部連携が重要な理由は、文書管理、フォーム 、タスク管理、オンラインストレージ、メールなど、複数の業務ツールをまたいだ処理を自動化するためです。
RPAツールは、単体で業務を完結させるというより、社内で使っているシステムやファイルを横断して作業を自動化するために利用されます。例えば、フォームで受け付けた情報を取得する、ファイルをオンラインストレージに保存する、処理結果をタスク管理ツールやメールで共有するといった使い方があります。
そのため、RPAツールを比較する際は、連携できるサービスの数だけで判断するのではなく、自社で自動化したい業務フローに必要な連携先が含まれているかを確認することが大切です。API連携に対応している場合は、画面操作だけに頼らずシステム間でデータを受け渡しやすくなるため、処理の安定性や大量データの自動処理を重視する業務で効率化しやすくなります。
RPAツールの外部連携は、主に、文書・ファイル管理、入力データ収集、タスク・進捗管理、個人情報・コミュニケーション管理に分けて確認できます。まずは各連携先がどの業務に関係するのかを把握しておくと、比較表の内容を読み取りやすくなります。
業務領域 | 主な連携先 | 自動化しやすい業務 |
|---|
文書・ファイル管理 | 文書管理システム、オンラインストレージ | ファイル取得、保存、更新、共有、フォルダ整理 |
入力・回答データ収集 | アンケート作成ツール | フォーム回答の取得、申請内容の転記、回答データの集計準備 |
タスク・進捗管理 | ToDoリスト・タスク管理ツール | タスク登録、担当者への作業依頼、進捗ステータス更新 |
個人情報・コミュニケーション管理 | 個人情報管理ソフトウェア | 連絡先情報の参照、メール関連業務、担当者情報を使う処理 |
文書・ファイル管理に関する連携では、RPAで扱うファイルをどこから取得し、どこに保存・共有できるかを確認できます。
RPAでは、請求書、申込書、見積書、レポート、台帳などのファイルを扱う業務が多くあります。文書管理システムやオンラインストレージと連携できると、ファイルの取得、格納、ファイル名変更、共有先への保存などを自動化しやすくなります。
文書管理システムとの連携は、社内文書や業務書類を起点にRPAを活用したい場合に確認したい項目です。
契約書、申請書、帳票、マニュアルなどを文書管理システムに保管している企業では、必要な文書の取得や更新、関連システムへの転記を自動化できる可能性があります。具体的にどの文書管理システムと連携できるかは、サービスごとに確認が必要です。
オンラインストレージとの連携は、ファイルの保存・共有・受け渡しを自動化したい場合に確認したい項目です。
RPAで作成したレポートを所定フォルダに保存する、外部から受け取ったファイルを処理する、処理済みファイルを共有フォルダに格納するなどの業務で活用できます。社内で利用しているストレージサービスに対応しているかを確認しましょう。
入力・回答データ収集に関する連携では、フォームやアンケートで集めた情報を、後続業務にどうつなげられるかを確認できます。
問い合わせ、社内申請、アンケート、受付フォームなどの回答データは、別のシステムや管理表へ転記する作業が発生しやすい領域です。RPAと連携できれば、入力内容の取得から転記、集計準備までを自動化しやすくなります。
アンケート作成ツールとの連携は、フォーム回答や申請データを起点に業務を自動化したい場合に確認したい項目です。
例えば、回答内容を社内台帳に転記する、担当者に通知する、回答データをファイルとして保存するなどの処理に活用できます。どの回答項目を取得できるか、リアルタイムで処理できるかはサービスごとに確認が必要です。
タスク・進捗管理に関する連携では、RPAの処理結果を人の作業フローにつなげられるかを確認できます。
RPAで完全に自動化できる業務もありますが、内容確認、承認、例外対応など、人の判断が必要な工程が残る場合もあります。タスク管理ツールと連携できると、RPAの実行結果に応じてタスクを作成したり、担当者へ作業依頼を出したりしやすくなります。
ToDoリスト・タスク管理ツールとの連携は、RPAの処理結果をもとに、担当者への依頼や進捗管理を行いたい場合に確認したい項目です。
例えば、処理に失敗したデータを確認タスクとして登録す る、承認が必要な案件を担当者に割り当てる、定期作業の完了状況を更新するなどの使い方が考えられます。人の確認が必要な業務を自動化する場合に重要です。
個人情報・コミュニケーション管理に関する連携では、連絡先、担当者情報、メールなどを含む業務データをRPAで扱えるかを確認できます。
RPAでは、メールの受信内容をもとに処理を開始する、担当者情報を参照して通知する、顧客や社内メンバーに連絡するといった業務が発生することがあります。個人情報を含むデータを扱う場合は、連携可否だけでなく、アクセス権限やセキュリティ面もあわせて確認しましょう。
個人情報管理ソフトウェアとの連携は、連絡先やメールなど、個人に関わる情報を含む業務を自動化したい場合に確認したい項目です。
ただし、項目名だけでは具体的にどの範囲の情報を扱えるかは判断できません。実際に利用したいサービス、取得したいデータ、RPAで実行したい処理内容に対応しているかは、個別に確認する必要があります。
RPAツールの外部連携は、現在利用している業務ツールと、自動化したい業務フローの接点を基準に整理することが大切です。例えば、ファイル処理を自動化したい企業と、フォーム回答後の確認作業まで効率化したい企業では、重視すべき連携先が異なります。
また、RPAは複数のツールをまたいで処理を行うため、どの業務の前後で連携が必要になるかを確認しておくとよいでしょう。以下の表を参考に、自社の状況に近いものから優先して確認すると、必要な外部連携を整理しやすくなります。
自社の状況 | 重視したい 連携 | 理由 |
|---|
ファイル処理や帳票処理を自動化したい | 文書管理システム、オンラインストレージ | ファイルの取得、保存、分類、共有を自動化しやすくするため |
フォーム回答や申請データを起点に処理したい | アンケート作成ツール | 回答データの取得から転記・集計準備までを自動化しやすいため |
作業依頼や進捗更新まで自動化したい | ToDoリスト・タスク管理ツール | RPAの処理結果を人の作業フローにつなげやすくするため |
メールや担当者情報を使う業務が多い | 個人情報管理ソフトウェア | 連絡先やメールを含む業務処理との連携可否を確認する必要があるため |
複数の業務ツールをまたいで処理したい | 文書管理システム、オンラインストレージ、ToDoリスト・タスク管理ツール、個人情報管理ソフトウェア | ファイル保存、通知、タスク登録などの一連の処理をつなげやすくするため |
一覧表で各ツールの連携状況を比較し、候補となるツールは自社で利用しているサービスや、自動化したい業務フローに対応しているかを個別に確認しましょう。