経費精算システムを効果的に活用するには、支払・利用明細の取得や金融機関との入出金管理、会計・基幹業務、人事・給与、社内共有・通知に関わる既存ツールと連携できるかを確認することが重要です。ここでは、経費精算システムで外部連携が重要な理由と、主な連携先、効率化できる業務、自社に必要な外部連携の考え方を解説します。
経費精算システムでは、経費申請から承認、会計処理、支払管理までの情報を正確につなげるために、外部連携が重要です。経費精算は従業員の申請だけで完結せず、クレジットカード利用明細、銀行口座、会計ソフト、ERP、人事情報、社内通知など複数の業務と関係します。
外部連携が不十分な場合、経理担当者が明細を手作業で転記したり、申請内容と会計処理を個別に突き合わせたりする負担が大きくなります。とくに月末月初に申請や承認が集中する企業では、入力ミス、承認漏れ、仕訳作成の遅れが発生しやすくなるでしょう。
連携方法としてAPI連携を 利用できる場合は、経費申請情報や利用明細、会計処理に必要なデータを外部システムとつなぎやすくなり、経理部門の転記作業や更新漏れの削減につながります。ただし、必要な連携先は企業ごとに異なるため、自社の経費精算フローのどこで情報連携が必要かを整理しておくことが大切です。
経費精算システムの連携先は、支払情報を取り込むための連携、会計処理へつなげる連携、承認や通知を円滑にする連携に分けて考えると整理しやすくなります。経理部門だけでなく、申請者、承認者、人事・労務部門が関わるため、どの業務の手作業を減らしたいかを基準に見ることが重要です。
業務領域 | 主な連携先 | 効率化できる業務 |
|---|
支払・利用明細 | クレジットカード、法人向けプリペイドカード、オンライン決済サービス | 利用明細の取り込み、経費申請との照合、支払関連情報の確認負担軽減 |
金融・入出金 | 銀行、ファイナンス | 口座情報や関連する金融情報の確認、支払状況の把握、精算後の管理 |
会計・基幹業務 | 会計ソフト、ERP | 仕訳データの連携、会計処理、基幹業務との情報共有 |
人事・給与 | 給与計算ソフト、人事管理システム(HCM) | 従業員情報の反映、所属・承認ルートの管理、給与関連処理との連携 |
社内共有・通知 | グループウェア、ビジネスチャット | 申請・承認状況の通知、承認依頼の共有、確認漏れの抑制 |
業務基盤・拡張 | クラウドコンピューティングサービス | 既存環境との接続、利用環境との相性確認、周辺システムとの連携検討 |
候補を絞った後は、連携できる情報の範囲、反映タイミング、既存システムとの接続条件を個別に見ておく必要があります。連携先の名称が同じでも、取得できるデータや運用上の使い勝手はサービスによって異なるため、自社の経費精算フローに合うかを確認しましょう。
対象となる連携先:クレジットカード、法人向けプリペイドカード、オンライン決済サービス
支払・利用明細の連携は、従業員が利用した経費情報を申請データと照合しやすくするために役立ちます。クレジットカードや法人向けプリペイドカードの利用明細を活用できれば、手入力の負担や金額の入力ミスを減らしやすくなるでしょう。比較時は、対応しているカード会社や決済サービス、明細の反映タイミング、申請データとの紐づけ方法を見ておく必要があります。
対象となる連携先:銀行、ファイナンス
銀行やファイナンス関連の連携は、精算後の支払状況や関連する金融情報を確認したい場合の観点になります。経費申請の承認後、支払や入出金の確認を別システムで行っている企業では、経理担当者の確認作業が分散しやすくなります。比較時は、自社の支払フローに対して、どの情報を参照・連携できるのかを個別に見ておきましょう。
対象となる連携先:会計ソフト、ERP
会計ソフトやERPとの連携は、経費精算後の仕訳作成や会計処理を効率化するうえで重要な観点です。申請・承認済みの経費データを会計処理へつなげられれば、経理担当者による二重入力や転記ミスの削減につながります。比較時は、勘定科目や部門情報、税区分など、会計処理に必要な項目をどこまで連携できるかを確認することが大切です。
対象となる連携先:給与計算ソフト、人事管理システム(HCM)
人事・給与関連の連携は、従業員情報や所属情報、承認ルートを経費精算に反映したい場合に役立ちます。人事異動や入退社が多い企業では、従業員情報を個別に更新する運用だと、申請権限や承認者の設定にずれが出ることがあります。給与計算ソフトとの連携を検討する場合は、精算額や支給処理との関係も含めて、自社の運用に合うかを見ておきましょう。
対象となる連携先:グループウェア、ビジネスチャット
グループウェアやビジネスチャットとの連携は、申請や承認の確認漏れを減らしたい場合に有効です。承認依頼や差し戻し通知を日常的に利用している社内ツールへ届けられれば、申請者と承認者のやり取りがスムーズになります。比較時は、通知できる内容、通知先、承認操作まで行えるか、通知のみかを分けて確認すると判断しやすくなります。
対象となる連携先:クラウドコンピューティングサービス
クラウドコンピューティングサービスとの連携は、既存の利用環境や個別要件との相性を見るための確認観点です。特定の部門やグループ会社ごとに異なる運用をしている企業では、標準的な連携先だけでは要件を満たせない場合があります。具体的な対応範囲はサービスごとに異なるため、自社で利用中の環境との接続条件を個別に確認しましょう。
経費精算システムの外部連携は、連携サービス数の多さではなく、自社の経費精算フローで発生している手作業をどこまで減らせるかで判断することが重要です。まずは、経費発生から申請、承認、会計処理、支払管理までの流れを整理し、どの段階で情報の転記や確認負担が大きいかを明確にしましょう。
改善した い業務 | 重視したい連携先 | 見ておきたいポイント |
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利用明細の手入力を減らしたい | クレジットカード、法人向けプリペイドカード、オンライン決済サービス | 対応するカード・決済サービス、明細の取得範囲、申請データとの紐づけ方法 |
経費データを会計処理へつなげたい | 会計ソフト、ERP | 仕訳データ、勘定科目、部門情報、税区分の連携範囲 |
精算後の支払状況を把握したい | 銀行、ファイナンス | 支払・入出金情報の扱い、経理部門の確認フローとの相性 |
従業員情報や承認ルートを整えたい | 給与計算ソフト、人事管理システム(HCM) | 所属情報、役職情報、入退社情報、承認者設定の反映方法 |
承認依頼や差し戻しを見逃したくない | グループウェア、ビジネスチャット | |