オンラインストレージのランキング（2025年12月）

オンラインストレージは、インターネットを通じてデータを保存・共有できるクラウド型の保管サービスです。企業では、拠点間の情報共有やバックアップ強化を目的に導入される場面が増えています。社内サーバーより導入や運用の負荷が軽く、テレワーク環境とも相性が良いことから、多様な働き方に対応しやすい点も特徴です。ここからは、その仕組みや従来のファイルサーバーとの違いをご紹介します。

オンラインストレージの仕組み（クラウド上にデータを保管するサービス）

オンラインストレージは、クラウド上に設置されたサーバーへデータを保存し、インターネット経由で必要なときにアクセスできる仕組みです。利用者はパソコンやスマートフォンからログインするだけで、自分のファイルを安全に参照・編集できます。データは複数の拠点に分散保存されるケースも多く、災害や機器故障によるリスクを抑えやすい点が利点となります。

社外からも同じ環境にアクセスできるため、営業担当や外部スタッフとの情報共有がスムーズに進みます。クラウドに保管することで管理が統一され、社内のファイル管理を効率化しやすくなる点も特徴です。

社内サーバー（オンプレミス）との違い

社内サーバーは自社内に機器を設置して運用する方式で、細かな設定や高度なカスタマイズに対応しやすい反面、設備投資や保守の負担が重くなります。オンラインストレージはクラウド事業者がサーバーを管理するため、自社で機器を持たずに利用でき、運用コストが抑えやすい点が大きく異なります。

また、アクセス環境の整備やセキュリティ更新もサービス側で対応されるため、担当者の手間も軽減されます。拠点や働く場所が分かれていても同じストレージにアクセスできることから、リモートワークや外出の多い部署で特に導入効果が高い仕組みです。

ファイルサーバーとの違いと使い分け

ファイルサーバーは社内ネットワーク上でファイルを共有するための仕組みで、社内業務に特化している点が特徴です。一方、オンラインストレージは社外からもアクセスしやすく、リンク共有や共同編集など利便性の高い機能を備えています。

用途に合わせて使い分ける企業も多く、社内で扱う機密性の高いデータはファイルサーバー、外部と共有する資料やプロジェクトデータはオンラインストレージと分離する運用が有効です。どちらも一長一短があるため、業務フローやセキュリティポリシーに合わせて選択することで、仕事の効率とリスク管理の両方に貢献しやすくなります。

オンラインストレージは、部門間の連携や外部とのデータ共有を円滑にする場面で多く利用されています。特に、離れた拠点で同時に作業するケースや、取引先との資料授受が頻繁な企業では効果が大きく、業務プロセスの改善につながりやすい仕組みです。ここからは、実際の活用イメージが湧くように、代表的な用途を4つ取り上げ、それぞれのメリットや導入効果をご紹介します。

離れた拠点・部署間でのファイル共有・共同編集

オンラインストレージは、物理的に距離がある部署同士でも同じファイルを即座に共有できる点が強みです。従来のメール添付では最新版の管理が難しく、修正内容が重複してしまうこともありました。オンラインストレージを利用すれば、リアルタイムで1つのデータを編集でき、誰がどこを更新したかも把握しやすい状態になります。

営業拠点が複数ある企業や、開発チームとバックオフィスが離れている体制でも、常に同じ情報を参照できるため、業務のスピードが向上しやすくなります。離れたチーム間の連携を強化したい企業にとって、欠かせない用途といえるでしょう。

社外パートナーとの安全なデータ受け渡し

社外とのデータ授受では、誤送信や情報漏えいのリスクをできる限り抑える必要があります。オンラインストレージの共有リンクは、パスワード設定や有効期限の指定ができるため、安全性を確保したまま大容量ファイルを渡せます。メールでは送れない資料や動画データもスムーズに共有でき、再送依頼による手戻りも減らせる点が便利です。

制作会社や外部の開発パートナーと頻繁にやり取りする企業では、こうした仕組みが業務効率の向上に直結しやすいので、運用ルールとセットで活用するとより効果的です。

バックアップ・アーカイブ用途としての活用

オンラインストレージは、データのバックアップ先として利用されるケースが増えています。クラウド上に保管されるため、社内サーバーの故障や災害発生時のリスクを分散しやすい点が特徴です。長期保存したい書類や過去プロジェクトのデータも、容量を気にせずアーカイブできるサービスが多く、運用負荷を減らせます。

特に、定期的に自動バックアップを取れる機能は、手動管理によるミスを防ぎやすく、担当者の負担軽減にもつながります。データ保全を重視する企業にとって、信頼性のある補完手段として役立つでしょう。

テレワーク・ハイブリッド勤務での業務効率化

テレワークでは、どこからでも同じ作業環境にアクセスできることが求められます。オンラインストレージを使えば、社外からもセキュアにファイルへアクセスでき、出社時と同じ状態で業務を進められます。資料探しやファイルの受け渡しにかかる時間が減るため、コミュニケーションの速度も高まりやすくなります。

また、モバイルアプリを使えば移動中でも資料を確認できるため、外回りの多い職種でもスムーズに仕事が進みます。働き方が多様化する今の環境では、柔軟な業務運営を支える重要な土台となるでしょう。

オンラインストレージの料金は、利用人数や容量、求めるセキュリティ水準によって大きく変わります。企業向けでは、1ユーザーごとの定額制と、容量単位で課金される方式の2種類が一般的です。小規模から大規模まで幅広く選べるよう設計されており、料金体系を理解しておくことで導入後の無駄な支出を防ぎやすくなります。ここでは、代表的な相場の目安を示しながら、法人利用で注意したいポイントを解説します。

1ユーザーあたりの料金相場（ビジネス向け）

企業向けオンラインストレージは、1ユーザーごとに費用が発生する定額制が主流です。一般的な相場は月額600円〜2,000円で、多くの企業がこの範囲内のプランを選んでいます。より高度なセキュリティや大容量ストレージを備えたサービスでは、月額2,000円〜3,500円程度になるケースもあり、部署規模や扱うデータの性質に応じて検討する必要があります。

利用人数が増えるほど費用は比例していくため、実際の利用頻度や役割に応じてアカウント数を適切に管理すると、コストの最適化につながります。選択する際は、必要機能と予算を照らし合わせながら判断すると安心です。

容量単位で課金されるプランの相場

容量単位で料金が決まるプランは、ユーザー数が多くても保管データ量が限られている組織に適しています。小規模から中規模企業向けの一般的な相場は、1TBあたり月額1,000円〜3,000円ほどで、必要量に合わせて柔軟に増減できる点が魅力です。一方、大規模利用では保存容量が数十TB以上になるケースも多く、料金は従量課金やカスタムプランが中心となるため、問い合わせが必須になります。

導入前には、自社で扱うデータ量の推移を確認し、過不足が出ない容量設定を行うことが重要です。最適な課金方式を選ぶことで、運用コストの削減にもつながります。

無料プランと有料プランの違い（法人利用では有料が必須となる理由）

無料プランは手軽に使い始められる反面、容量が限られ、権限設定やログ管理などのセキュリティ機能が十分でない場合が多い傾向があります。さらに、法人向けサポートが付かないことも多く、トラブル時に迅速な対応を受けられない点は業務上のリスクになりかねません。有料プランではアクセス制御やデータ暗号化が強化され、容量面でも安定した運用が可能です。

安全性と業務連携の両方を確保するため、企業利用では有料プランを選ぶことが基本となります。社内の情報管理体制を維持するためにも、必要な機能が揃ったプランを検討してみてください。

オンラインストレージには、企業が日常的に利用する業務を支える多様な機能が備わっています。特に、セキュリティ強化や共同編集、外部共有などの領域では導入効果が大きく、利用シーンに応じて求められる機能も変化します。ここでは、企業担当者がよく重視する代表的な機能を取り上げ、その特徴や導入メリットをご紹介します。業務効率と安全性を両立させたい場合の比較材料としてご覧ください。

アクセス権限管理・ログ管理機能

アクセス権限管理は、ユーザーごとに閲覧や編集の範囲を細かく設定できる機能で、社内の情報統制を行ううえで欠かせません。また、ログ管理を活用すると「誰が」「いつ」「どのファイルを操作したか」を追跡でき、万が一のトラブル時にも原因を特定しやすくなります。

これらの機能が整っていると、機密情報を扱う部署でも安心して利用でき、監査対応にも役立ちます。多くの企業が導入を判断する際、この2つを必ずチェックする理由は、日常の運用リスクを減らし、情報管理レベルを一段引き上げられるためです。

ファイル共有リンクのパスワード設定・有効期限設定

外部とのファイル共有では、共有リンクにパスワードや有効期限を付けられる仕組みが重宝されます。メールに添付できない大容量ファイルも安全に送信でき、期限が過ぎれば自動的にアクセスを遮断できる点が安心材料になります。誤共有による情報漏えいを防ぐだけでなく、再送依頼の減少にもつながり、業務のスピードを維持しやすくなります。

取引先との資料交換が多い企業では、この機能を使いこなすことで、セキュリティ確保と作業効率化を両立できるでしょう。安全な外部共有が必要な部署ほど重要性が高まります。

リアルタイム共同編集機能

複数人で同じ資料を同時に編集できるリアルタイム共同編集は、会議資料や提案書の作成が多い企業で特に力を発揮します。従来のファイル共有では、改訂版が複数生まれ管理が複雑になりがちでしたが、この機能を使えば常に最新状態を維持でき、修正内容も簡単に確認できます。

拠点が離れたチームやリモート勤務のメンバーでもスムーズに作業を進められるため、コミュニケーションコストの削減にも寄与します。生産性向上に直結しやすいことから、多くの企業で導入の決め手となる機能です。

外部サービスとの連携（Office・Google Workspace・Slack など）

オンラインストレージは、OfficeやGoogle Workspace、Slackといった業務ツールと連携することで、日々の作業効率を大きく高めます。例えば、ストレージ内のドキュメントをそのままオンライン編集したり、チャット上から直接共有したりできるため、アプリを切り替える手間が減ります。

特に、文書作成やスプレッドシートを日常的に扱う企業では、連携機能の有無が作業スピードに直結します。普段使うツールと自然に連動する環境を整えることで、従業員全体のパフォーマンスを底上げできます。

バックアップ・バージョン管理機能

バックアップ機能は、万が一データが削除された場合でも復元できる仕組みで、企業の情報保全に欠かせません。また、バージョン管理を使えば過去の編集履歴を遡って確認でき、誤った修正や削除があった際にも元の状態に戻せます。

こうした機能が整っていると、担当者が手動でバックアップを行う必要がなくなり、ヒューマンエラーを減らす効果も期待できます。データの扱いが多い企業にとって、業務継続の観点からも重要度の高いポイントとなります。

スマホ・タブレットからのセキュアアクセス

スマートフォンやタブレットから安全にアクセスできる機能は、外出や移動が多い職種にとって不可欠です。モバイル専用アプリを利用すれば、社外でも必要なファイルを確認でき、急な依頼にも迅速に対応しやすくなります。また、デバイス紛失時にデータを保護する仕組み（リモートワイプなど）が備わっていると、情報漏えいのリスクを抑えられます。

働き方が多様化する現在では、どこでも同じ作業環境を再現できることが重要になっており、モバイル対応の品質が導入満足度を左右することも多いです。

オンラインストレージを導入する際は、機能の豊富さだけで判断すると運用上のミスマッチが生じやすくなります。特に、セキュリティ要件や権限設定の精度、既存ツールとの相性などは、実際の業務効率に大きく影響します。ここでは、社内導入担当者が検討段階で押さえておきたい重要な基準を取り上げ、比較時の判断材料となる視点をご紹介します。導入後のトラブルや手戻りを避けるためにも、基準を体系的に整理して確認しましょう。

必要なセキュリティ要件を満たしているか（暗号化・認証・ログ管理）

企業で扱うデータは重要度が高いため、オンラインストレージのセキュリティ性能は最優先で確認すべき項目です。通信や保存データを暗号化する仕組み、本人確認を強化する多要素認証、操作履歴を記録するログ管理などが揃っているかを見極めることで、リスクを大幅に抑えられます。

これらが不十分なサービスを選んでしまうと、情報漏えいや不正アクセスへの備えが弱くなり、企業の信頼性にも影響します。必要な要件を満たしたサービスを選定しておくと、日常運用における安心感が高まりやすくなります。

社内外で求められる共有・権限管理の粒度は適切か

部署やプロジェクト単位でアクセス範囲を制御する企業では、権限管理の細かさが選定ポイントになります。閲覧のみ、編集可能、共有権限の付与など、操作レベルを丁寧に切り分けられるサービスであれば、情報統制がしやすく、社内外との共有でも安全性を確保できます。

権限管理が粗いと、必要以上の範囲へ情報が広がり、内部リスクを抱える要因にもなります。業務特性に応じた粒度を設定できるサービスを選ぶことで、効率とセキュリティの両立が実現しやすくなります。

自社の業務量に対して容量・料金体系が適切か

導入コストを適切に抑えるには、容量・料金体系が自社の利用状況に合っているかを確認することが欠かせません。例えば、データ量が多い部署では容量制限が厳しいとすぐに不足し、追加費用が発生する可能性があります。一方、従業員数が多くてもデータ量が少ない企業では、ユーザー単位課金より容量課金が向いている場合もあります。

利用者数や保管するデータ種別を把握したうえでプランを比較することで、無駄のない契約に近づけます。費用対効果を最大化するため、料金体系の相性を慎重に見極めましょう。

既存ツール（Office・Google・チャットツール）との連携性

日常的に使用する業務ツールとの連携性は、生産性を大きく左右します。オンラインストレージがOfficeやGoogle Workspace、Slackなどと連動していれば、資料作成から共有までの流れが途切れず、作業時間を短縮しやすくなります。

逆に、連携が弱いサービスを選ぶと、ファイルの移動や形式変換が頻発し、現場に負担がかかる原因になります。社内の主要ツールと自然に組み合わせられるかを確認しておくと、導入後の定着度が高まり、全体の業務改善につながるでしょう。

操作の使いやすさ・社内浸透のしやすさ

導入しても現場に定着しなければ、期待した効果は得られません。ユーザーインターフェースが分かりやすく、初めて使う社員でも迷わず操作できる設計かどうかは重要な視点です。使い勝手が悪いと研修やサポート対応の負荷が増え、浸透に時間がかかる可能性があります。

直感的に操作できるサービスを選べば、導入初期から利用率が高まり、生産性向上の成果にもつながりやすくなります。現場の利用頻度が高い企業ほど、操作性の確認を丁寧に行うことが大切です。

サポート体制（導入支援・トラブル対応）の充実度

企業利用では、導入前後のサポートの質も検討に入れる必要があります。問い合わせへの対応速度や専門スタッフの有無、設定サポートの範囲などが整っていると、トラブル発生時でも安心して運用できます。特に、クラウドサービスは仕様変更が行われる場合もあるため、最新情報を提供してくれるサポートがあると社内展開がスムーズになります。

体制が弱いサービスを選んでしまうと、復旧や調整に時間がかかり、業務停滞のリスクが高まることもあります。安定運用を目指す企業では欠かせないポイントといえるでしょう。

コンプライアンス要件（国内外データ保管・認証取得）の適合性

企業によっては、業界ルールや法律に基づくデータ管理基準が定められており、オンラインストレージもそれに適合している必要があります。データの保管場所が国内か海外か、国際認証（ISO27001など）を取得しているかといった要件を確認することで、社内のガバナンスを維持しやすくなります。

不適合のサービスを選ぶと、後から移行が必要になり、余計な手間が発生する恐れがあります。導入検討時にコンプライアンス面を整理しておくと、安全性と信頼性の高い運用につながります。

オンラインストレージを導入すると、業務効率の向上とセキュリティ対策の強化を同時に実現しやすくなります。社内外を問わず安全にアクセスでき、ファイル管理が統一されることで、日常業務の無駄を減らせる点が特徴です。さらに、バックアップや権限管理の仕組みも整備されるため、企業全体のガバナンス強化にもつながります。ここでは、多くの企業が導入によって感じている主要なメリットをご紹介します。

テレワーク環境でも安全にアクセスできる

オンラインストレージは、インターネット環境さえあればどこからでもファイルへアクセスできるため、テレワークや外出の多い職種と相性が良い仕組みです。通信の暗号化や多要素認証が備わっていれば、社外から利用しても高い安全性を維持できます。

従来のVPN接続に比べて手順が簡単な場合も多く、社員がスムーズに業務へ取りかかれる点も利点です。働く場所を限定しない柔軟な働き方が求められる今、こうした環境を整えておくことで、生産性の低下を防ぎながら快適な業務運営が可能になります。

社内のファイル共有・検索・管理が効率化される

オンラインストレージを使うと、社内のファイルが一元管理され、必要な資料を探す時間が大幅に短縮されます。検索機能を活用すれば、名称やキーワードから目的のファイルをすぐに見つけられ、過去データの参照も容易です。

また、共有方法が統一されることで、メール添付や複数版の管理といった煩雑さが減り、プロジェクト全体の進行がスムーズになります。ファイル管理に関わる手間を削減し、生産性向上へ直結させたい企業にとって、重要なメリットといえるでしょう。

バックアップが自動化され、データ消失リスクを軽減できる

オンラインストレージには、自動バックアップや過去データの復元機能が備わっていることが多く、誤操作や機器トラブルによるデータ消失を防ぎやすくなります。手作業でバックアップを行う必要がなくなるため、担当者の負担が減り、運用の安定性も高まります。

災害や故障によるリスク分散ができる点もメリットで、事業継続計画（BCP）の観点でも評価されるポイントです。重要データを扱う企業では、こうした仕組みを備えておくことで安心して業務を進められるようになります。

社内サーバー運用コスト（保守・設備）が削減できる

社内サーバーを維持する場合、機器の設置スペースや更新費用、保守作業などのコストが継続的に発生します。オンラインストレージを利用すれば、サーバーの管理をサービス提供側が担うため、これらの負担を大幅に減らせます。

特に、専門知識を持つスタッフが不足している企業では、運用管理の外部化によってリソースを本来の業務へ集中しやすくなります。設備投資を抑えつつ安全な環境を整えたい場合、クラウド型の導入が有効な選択肢になります。

ガバナンス強化（ログ管理・権限設定）につながる

オンラインストレージには、操作履歴を記録するログ管理や、ユーザーごとに権限を細かく設定できる仕組みが備わっています。これらを活用すると、情報の取り扱いを適切に統制でき、社内のコンプライアンス遵守に役立ちます。万が一問題が発生しても、原因を追跡しやすく、再発防止策の検討が進めやすくなる点も魅力です。

また、アクセス範囲を明確にすることで、不必要な情報共有を防ぎ、安全性を高められます。ガバナンス強化を求める企業にとって、導入の大きな後押しとなる機能です。

オンラインストレージを導入する際は、セキュリティや運用方法、容量設定などについて不安を抱く担当者も少なくありません。具体的な疑問を事前に解消しておくことで、導入後のトラブルを避けやすくなり、社内展開もスムーズに進みます。ここでは、企業から寄せられる質問の中でも特に多い内容を取り上げ、それぞれのポイントを詳しく解説します。導入判断の材料として活用してみてください。

Q.オンラインストレージは本当に安全？セキュリティ面の実情

オンラインストレージは、通信や保存データの暗号化、多要素認証、アクセス権限管理など複数の仕組みを組み合わせることで高い安全性を確保しています。これらが揃っていれば、不正アクセスや情報漏えいのリスクを大幅に抑えられます。

ただし、設定が不十分なまま運用すると、意図しない共有やアクセスが発生する可能性もあります。導入時には社内ポリシーに合わせた設定を行い、運用ルールを明確にしておくことが重要です。適切に仕組みを活用すれば、安全に利用できる環境を整えられます。

Q.無料プランでもビジネス利用できる？

無料プランは手軽に試せる反面、容量制限や権限管理の不足、サポートが限定的であるなど、業務で使うには不安が残る点が多いのが実情です。特に、機密性の高いデータを扱う企業では、ログ管理やセキュリティ機能が不足しているとリスクが高まります。有料プランではこれらの機能が強化され、安定した運用が可能になります。

ビジネス利用を前提とする場合は、有料プランを選んだほうが安全性と信頼性を確保しやすくなります。まずは試用版で使い勝手を確認し、必要な機能を満たすプランを検討すると良いでしょう。

Q.容量はどのくらい必要？人数や業務内容からの目安

必要な容量は、利用する部署の人数や扱うデータの種類によって大きく変わります。画像や動画を多く扱う制作部門では、大容量プランが求められることが多く、文書中心のバックオフィス部門では容量消費が比較的少ない傾向にあります。

利用頻度や保存期間を確認し、現状のデータ量に将来の増加分を加味したうえで容量を選ぶと、運用が安定しやすくなります。判断が難しい場合は、拡張しやすいプランを選び、運用しながら最適な容量へ調整する方法も有効です。

Q.通信環境が悪いと使いづらい？オフライン利用の可否

オンラインストレージはインターネット接続を前提とするため、通信環境が不安定な場所では操作に時間がかかる場合があります。ただし、オフラインでも編集でき、接続が回復すると自動で同期される仕組みを備えたサービスも増えており、作業が完全に止まるわけではありません。

外出先で利用する場合は、事前に必要なファイルを端末に保存しておくと安心です。通信状況に応じて柔軟に利用できる環境を整えることで、業務の停滞を防ぎやすくなります。

Q.ファイルサーバーから移行する際の注意点

ファイルサーバーからオンラインストレージへ移行する際は、フォルダ構成の整理やアクセス権限の再設定が重要になります。既存データをそのまま移すと運用が複雑化することがあり、不要ファイルの棚卸しを行うと移行後の管理が容易になります。

また、ユーザー教育を行わないまま移行すると、操作ミスや混乱が生じやすいため、初期研修やマニュアル整備も欠かせません。事前準備を丁寧に進めることで、スムーズな移行が期待できます。

Q.外部パートナーとの共有はどこまで安全に行える？

外部パートナーとの共有も、設定次第で高い安全性を確保できます。共有リンクにパスワードや有効期限を設けたり、閲覧専用に制御したりすれば、情報漏えいのリスクを抑えられます。さらに、アクセスログを確認できるサービスなら、相手先の利用状況も把握しやすい環境が整います。

ただし、共有範囲を広げすぎると内部統制が弱まる可能性もあるため、必要最低限に絞ることが大切です。ルールに沿って運用すれば、安全な外部共有が実現できます。